外国人を派遣で受け入れる場合は慎重に

1.外国人派遣の問題の所在

外国人労働者を派遣で受け入れる場合、在留資格の申請手続きや管理などは派遣元の企業が行うため、派遣先企業にとっては直接雇用に比べ、より少ない負担で柔軟に受け入れが可能となります。

一般に、外国人が企業で働くためには、就労ビザと呼ばれる「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を取得していることが大半です。この在留資格は、エンジニアや通訳などの専門的・技術的な職業を対象としており、技能実習や特定技能で予定されているような単純労働は認められていません。しかし、在留資格を取得したエンジニアや通訳が、実際には工場のライン作業や店舗での接客業務など、資格外活動による不法就労に従事しているケースが問題視されています。

派遣で外国人労働者を受け入れる場合、派遣元企業が在留資格申請を行うため、派遣先企業が外国人の資格条件や許可されている業務内容を十分に把握しないまま雇用しているケースが多いと考えられます。その結果、派遣先企業が知らぬ間に不法就労の状況に巻き込まれる事態も発生しています。

知らなかったでは済まされない?

従来は、外国人労働者の管理責任が派遣元企業にあるため、不法就労が発覚しても派遣先企業が罪に問われるケースは少ない傾向にありました。しかし近年、不法就労の取り締まりが強化され、派遣先企業も責任を追及される事例が増加しています。

例えば、2021年12月に発覚した派遣による不法就労事件では、派遣先企業にも刑事責任が追及されました。当時警視庁は、「技術・人文知識・国際業務」に関連する不適切な就労の横行や、人材会社を隠れ蓑にした派遣先企業の責任逃れを問題視していたとしています。現在では、「知らなかった」では済まされず、派遣先企業も外国人労働者派遣に対する意識と管理体制の見直しが迫られています。

2.直接雇用よりも慎重に

外国人労働者を直接雇用する代わりに派遣で受け入れる場合、派遣先企業には入管法上の規制が適用されないと誤解されているケースが依然として多い状況です。しかし、派遣のメリットがある一方で、リスクについても十分理解し、直接雇用の場合以上に厳格な管理が求められます。

以下の点に注意が必要です。

①外国人の在留資格(在留カード)の確認

直接雇用の場合と同様に、外国人の在留資格(在留カード)を確認する必要があります。派遣元の管理を理由に在留カードの開示を拒まれることがありますが、在留カードは雇用における必須の確認項目です。在留資格や在留期限は最低限確認し、派遣元や外国人本人が開示を拒む場合は違法性が疑われます。

②業務内容と在留資格の適合性の確認

派遣先で従事させる業務が、外国人の在留資格で認められる活動範囲内であることを確認する必要があります。不適切な業務に従事させた場合、外国人本人には資格外活動罪、派遣元および派遣先企業には不法就労助長罪が適用される可能性があります。判断が難しい場合は行政書士などの専門家に相談することが重要です。

③派遣元による入管申請内容の確認

派遣労働者が派遣先で就労する場合、派遣先での業務内容に基づき在留資格の許可を得る必要があります。派遣元が正確に申請していない場合、不法就労助長罪に問われる可能性があります。派遣元任せにせず、申請内容を正確に確認することが重要です。違法性が発覚すると、他の外国人正規雇用にも悪影響を及ぼす恐れがあります。

3.制度上の盲点をついた派遣スキームには要注意

制度の盲点を悪用したスキームで外国人派遣を仲介する業者には特に注意が必要です。「技術・人文知識・国際業務」の在留資格では、信頼性の高い企業に就職した場合、在留期間が最長5年間付与されることがあります。この5年間の間に転職や派遣先の変更があっても、入管による審査を受けずに就労が可能となるため、制度を悪用した不法就労が横行しています。

これを防ぐため、派遣を受け入れる際は就労資格証明書交付申請を行い、派遣先での業務内容について事前に審査を受けることが推奨されます。また、優良な派遣事業者の選定と自社の管理体制の整備が不可欠です。

派遣で外国人を受け入れる企業には、コンプライアンス意識の徹底と、必要最低限の外国人雇用に関する知識を持つことがますます求められるでしょう。

無料相談・お問い合わせはこちら

お問い合わせは、電話またはフォームにて受け付けております。

営業時間外、定休日でもお電話であれば夜20時まで受け付けています。

メールでのお問い合わせは24時間受け付けておりますので、まずはお気軽にご連絡ください。初回無料相談につきましては、対面での相談に加え、オンラインでの相談にも対応させていただいております。お気軽にご利用ください。

受付時間:9:00~18:00
定休日:土曜・日曜・祝日

事前のご予約で土日祝、夜間も対応可能です。

お電話でのお問い合わせはこちら

078-371-5260
078-371-5261

インフォメーション

お問い合わせ・ご相談
078-371-5260
078-371-5261

お問い合わせはお電話・メールで受け付けています。
事前のご予約で土日祝、夜間も対応可能です。
メールでのお問い合わせは24時間受け付けております。

受付時間/定休日
受付時間

9:00~18:00

定休日

土曜日・日曜日・祝日
事前のご予約で土日祝、夜間も対応可能です。

アクセス

〒650-0025
兵庫県神戸市中央区相生町4丁目2番28号

神戸駅前千代田ビル6F

JR神戸駅 ビエラ神戸口より徒歩2分
阪急・阪神・山陽電鉄 高速神戸駅より徒歩5分

行政書士清水真一事務所はB.LEAGUE「神戸ストークス」のサポートカンパニーです。