特定技能所属機関は、特定技能雇用契約や1号特定技能外国人支援計画に関する各種届出が義務付けられており、不履行や虚偽の届出には罰則が定められています。
届出が受理された後、地方出入国在留管理局において届出内容を確認した結果、基準不適合が判明した場合には、是正を求める指導・助言が行われます。この指導・助言を受けた特定技能所属機関は、速やかにこれに従い是正を行う必要があります。なお、指導・助言に従わない場合は、改善命令の対象となります。
届出は、対象となる外国人が「特定技能」の在留資格を取得した後に生じた事由について行う必要があります。したがって、申請前に発生した事由(例: 支援委託契約を申請前に締結した場合)については、申請時に内容が確認されるため、届出は不要です。
なお、「特定技能」の在留資格に係る上陸許可または変更許可を受けるまでの間に変更等が発生した場合は、申請を提出した地方出入国在留管理局への申告が求められる場合があります。
さらに、「特定技能」の在留資格で在留している間に生じた届出事由については、対象の特定技能外国人が退職した場合、帰国した場合、または他の在留資格へ変更した場合でも、届出を行う必要があります。
入管法第19条の18第1項第1号
特定技能所属機関の相手方である本邦の公私の機関(以下この款及び第8章において「特定技能所属機関」という。)は、次の各号のいずれかに該当するときは、法務省令で定めるところにより、出入国在留管理庁長官に対し、その旨及び法務省令で定める事項を届出なければならない。
一 特定技能雇用契約の変更(法務省令で定める軽微な変更を除く。)をしたとき、又は新たな特定技能雇用契約の締結をしたとき。
入管法施行規則第19条の17第1項から第3項
法第19条の18第1項に規定する法省省令で定める事項は、届出に係る特定技能外国人の氏名、生年月日、性別、国籍・地域及び在留カードの番号並びに別表第3の5の上欄に掲げる場合の区分に応じそれぞれ同表の下欄に掲げる事項とする。
2 法第19条の18第1項に届出をしようとする特定技能所属機関は、同項各号に定める事由が生じた日から14日以内に、同項各号に定める事由が生じた旨及び前項に規定する事項を記載した書面を、地方出入国在留管理局に提出しなければならない。
3 法第19条の18第1項第1号に規定する軽微な変更は、業務の内容、報酬の額その他の労働条件以外の変更であって、特定技能雇用契約に実質的な影響を与えない変更とする。
入管法施行規則別表第3の5の1の表(第19条の17関係)
<場合>
<事項>
特定技能所属機関が特定技能雇用契約を変更した場合(入管法施行規則第19条の17第3項に定める軽微な変更を除く)、変更日から14日以内に、当該機関の住所(雇用する特定技能外国人の指定書に記載の住所)を管轄する地方出入国在留管理局に届出を行うことが求められます。
◆届出の方法
届出は、以下のいずれかの方法で行う必要があります。
◆必要書類
届出に際しては、別表(特定技能雇用契約の変更関係)に掲げる変更事項に応じた添付書類(変更後の契約の内容等を記載した書面)を提出することが求められます。
入管法施行規則別表第3の5の1の表(第19条の17関係)
<場合>
<事項>
特定技能所属機関は、特定技能雇用契約が終了した場合、終了日から14日以内に以下のいずれかの方法で届出を行うことが求められます。
当該機関の住所(雇用する特定技能外国人の指定書に記載の住所)を管轄する地方出入国在留管理局へ、契約終了の旨、終了年月日、終了事由を記載した書面を提出する
出入国在留管理庁電子届出システムを利用して届出を行う
◆特定技能外国人の在留継続について
特定技能外国人は、特定技能雇用契約が終了しても、直ちに帰国を義務付けられるわけではありません。
転職により新たな特定技能所属機関との間で特定技能雇用契約を締結し、在留資格変更許可を受けることで、引き続き在留することが可能です。
◆責めに帰すべき事由によらない契約終了時の対応
特定技能外国人の責めに帰すべき事由によらずに契約が終了した場合、当該外国人の活動継続意思を確認し、活動継続を希望する場合には必要な転職支援を行わなければなりません。
◆受入れ困難に関する届出
契約終了の事由が非自発的離職者の発生や行方不明者の発生などの場合は、受入れ困難に係る届出書(参考様式第3-4号)を事前に提出しておくことが必要です。
入管法施行規則別表第3の5の1の表(第19条の17関係)
<場合>
<事項>
特定技能所属機関は、新たな特定技能雇用契約を締結した場合、当該契約終了日から14日以内に以下のいずれかの方法で届出を行う必要があります。
◆「新たな契約を締結した場合」の定義
「新たな契約を締結した場合」とは、例えば以下のような状況が該当します。
◆届出時の確認事項
届出に際しては、変更後の契約内容が基準に適合していることを十分に確認することが必要です。
入管法第19条の18第1項第2号
特定技能所属機関の相手方である本邦の公私の機関(以下この款及び第8章において「特定技能所属機関」という。)は、次の各号のいずれかに該当するときは、法務省令で定めるところにより、出入国在留管理庁長官に対し、その旨及び法務省令で定める事項を届出なければならない。
二 1号特定技能外国人支援計画の変更(法務省令で定める軽微な変更を除く。)をしたとき。
入管法施行規則第19条の17第4項
法第19条の18第1項第2号に規定する軽微な変更は、支援の内容又は実施方法以外の変更であって、1号特定技能外国人支援計画に実質的な影響を与えない変更とする。
入管法施行規則別表第3の5の1の表(第19条の17関係)
<場合>
<事項>
特定技能所属機関が1号特定技能外国人支援計画を変更した場合(入管法施行規則第19条の17第4項に定める軽微な変更を除く)、変更日から14日以内に以下のいずれかの方法で届出を行う必要があります。
◆必要書類
届出に際しては、別表(1号特定技能外国人支援計画の変更関係)に掲げる変更事項に応じた添付書類(変更後の契約内容等を記載した書面)を提出することが求められます。
入管法第19条の18第1項第3号
特定技能所属機関の相手方である本邦の公私の機関(以下この款及び第8章において「特定技能所属機関」という。)は、次の各号のいずれかに該当するときは、法務省令で定めるところにより、出入国在留管理庁長官に対し、その旨及び法務省令で定める事項を届出なければならない。
三 第2条の5第5項の契約の締結若しくは変更(法務省令で定める軽微な変更を除く。)をしたとき、又は当該契約が終了したとき。
入管法施行規則第19条の17第5項
法第19条の18第1項第3号に規定する軽微な変更は、業務の内容の変更であって、法第2条の5第5項の契約に実質的な影響を与えない変更とする。
入管法施行規則別表第3の5の3の表(第19条の17関係)
<場合>
<事項>
特定技能所属機関は、登録支援機関と1号特定技能外国人支援計画の全部の実施を委託する契約(以下「支援委託契約」)を締結した場合、契約締結日から14日以内に以下のいずれかの方法で届出を行うことが求められます。
◆新たな登録支援機関との契約締結時の対応
新たな登録支援機関と支援委託契約を締結した場合、1号特定技能外国人支援計画が変更となるため、併せて支援計画変更に係る届出書を提出することが必要です。
入管法施行規則別表第3の5の3の表(第19条の17関係)
<場合>
<事項>
特定技能所属機関は、登録支援機関との支援委託契約を変更した場合、変更日から14日以内に以下のいずれかの方法で届出を行う必要があります。
入管法施行規則別表第3の5の3の表(第19条の17関係)
<場合>
<事項>
特定技能所属機関は、登録支援機関との支援委託契約が終了した場合、終了日から14日以内に以下のいずれかの方法で届出を行うことが求められます。
◆登録支援機関との契約終了後の対応
登録支援機関との契約を終了した場合、特定技能所属機関自らが「1号特定技能外国人支援計画の適正な実施の確保に関する基準」に適合するか、または別の登録支援機関と新たに委託契約を締結しなければ、1号特定技能外国人の受入れはできません。
◆支援計画変更に伴う届出義務
登録支援機関との委託契約を終了した場合、1号特定技能外国人支援計画も変更となるため、支援計画変更に係る届出書を併せて提出する必要があります。
入管法第19条の18第1項第4号
特定技能所属機関の相手方である本邦の公私の機関(以下この款及び第8章において「特定技能所属機関」という。)は、次の各号のいずれかに該当するときは、法務省令で定めるところにより、出入国在留管理庁長官に対し、その旨及び法務省令で定める事項を届出なければならない。
四 前3号に掲げるもののほか、法務省令で定める場合に該当するとき。
入管法施行規則第19条の17第6項第1号
6 法第19条の18第1項に規定する法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。
一 特定技能外国人を受け入れることが困難となった場合
入管法施行規則別表第3の5の4の表(第19条の17関係)
<場合>
<事項>
特定技能所属機関は、特定技能外国人の受入れが困難となった場合、当該事由が生じた日から14日以内に、以下のいずれかの方法で届出を行うことが求められます。
◆受入れ困難となる主な事由
以下のような状況が受入れ困難事由に該当します。
※ 自己都合退職の申出があった時点では届出不要ですが、退職が確定した場合は雇用契約終了の届出が必要です。
◆対応措置
◆特定の事由に係る追加対応
◆追加書類
入管法第19条の18第1項第4号
特定技能所属機関の相手方である本邦の公私の機関(以下この款及び第8章において「特定技能所属機関」という。)は、次の各号のいずれかに該当するときは、法務省令で定めるところにより、出入国在留管理庁長官に対し、その旨及び法務省令で定める事項を届出なければならない。
四 前3号に掲げるもののほか、法務省令で定める場合に該当するとき。
入管法施行規則第19条の17第6項第2号
6 法第19条の18第1項に規定する法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。
二 特定技能雇用契約及び1号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令(平成31年法務省令第5号。次条第2項第2号において「特定技能基準省令」という。)第2条第1項各号又は同条第2項各号に掲げる基準のいずれかに適合しないこととなる事由が生じたことを知った場合
入管法施行規則別表第3の5の4の表(第19条の17関係)
<場合>
<事項>
特定技能所属機関は、自らが特定技能雇用契約および1号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令第2条に規定する「特定技能所属機関の基準」に適合しなくなる事由(以下「基準不適合」)を認知した場合、認知の日から14日以内に以下のいずれかの方法で届出を行う義務があります。
◆行政機関から指導を受けた場合の対応
特定技能所属機関が雇用する特定技能外国人に限らず、行政機関から指導を受けた場合は、参考様式第5-18号「基準不適合に係る説明書(特定技能所属機関作成用)」に疎明資料を添付し、提出することが求められます。
◆基準不適合となる具体的な事由
「基準不適合」とは、特定技能基準省令第2条に掲げられた基準に適合しない状況を指し、以下の事例が該当します。
◆基準不適合が認知された場合の対応
特定技能所属機関(または登録支援機関)が1号特定技能外国人支援計画の定期面談などの際に基準不適合(不正行為を含む)を知った場合は、速やかに改善措置を講じる必要があります。
また、関係する行政機関へ報告を行い、対応結果を地方出入国在留管理局へ届け出ることが義務付けられています。
◆基準不適合の届出時点で指導・処分を受けていない場合
届出時点で関係行政機関から指導または処分を受けていない場合でも、届出後に指導または処分を受けた場合は、その内容を地方出入国在留管理局へ速やかに届け出る必要があります。
入管法第19条の18第2項第1号~第3号
2 特定技能所属機関は、前項の規定により届出をする場合を除くほか、法務省令で定めるところにより、出入国在留管理庁長官に対し、次に掲げる事項を届出なければならない。
一 受け入れている特定技能外国人(特定技能の在留資格をもって本邦に在留する外国人をいう。以下この款及び第8章において同じ。)の氏名及びその活動の内容その他の法務省令で定める事項
二 第2条の5第6項の規定により適合1号特定技能外国人支援計画を作成した場合には、その実施の状況(契約により第19条の27第1項に規定する登録支援機関に適合1号特定技能外国人支援計画の全部の実施を委託したときを除く。)
三 前2号に掲げるもののほか、特定技能外国人の在留管理に必要なものとして法務省令で定める事項
入管法施行規則第19条の18第1項~第3項、第5項及び第6項
法第19条の18第2項第1号に規定する法務省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。
一 届出の対象となる期間内に受け入れていた特定技能外国人の総数
二 届出に係る特定技能外国人の氏名、生年月日、性別、国籍・地域及び在留カードの番号
三 届出に係る特定技能外国人が法別表第1の2の表の特定技能の項の下欄に掲げる活動を行った期間、活動の場所及びこれに対する報酬
2 法第19条の18第2項第3号に規定する法務省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。
一 次項に規定する届出の対象となる期間(以下この号において「対象期間」という。)内に受け入れていた特定技能外国人1人当たりの当該対象期間における平均した1月当たりの労働日数、対象期間内に受け入れていた特定技能外国人1人当たりの当該対象期間における平均した1月当たりの報酬その他の特定技能外国人の受入れの状況
二 特定技能所属機関の氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名並びに労働、社会保険及び租税に関する法令の規定を遵守していることその他の特定技能基準省令第2条第1項各号及び第2項各号に掲げる基準に適合しているかどうかを判断するために必要な事項
3 法第19条の18第2項の 規定による届出は、当該届出をしようとする特定技能所属機関が、毎年5月31日までに、その年の前年の4月1日からその年の3月31日までの期間内における 同項各号に規定する事項を記載した書面を、 地方出入国在留管理局に提出し て行わなければならない。 この場合において、当該特定技能所属機関は、前項第2号に掲げる事項を明らかにする資料を当該書面と併せて提出しなければならない。
<届出義務の改正>
入管法施行規則の改正に伴い、令和7年6月1日以降(※)、特定技能所属機関は1年に1度、以下の方法で届出を行う必要があります。
※ 令和7年5月31日までは、従前の定期届出規定が適用されます。
令和7年の第1四半期(対象期間:1月1日~3月31日)の定期届出は、令和7年4月1日~4月15日までに提出する必要があります。
改正後の規定に基づく最初の届出は、令和8年4月1日~5月31日に提出することとなります。
◆定期届出の対象期間
対象年の4月1日~翌年3月31日の受入れ・活動・支援実施状況を翌年4月1日~5月31日までに提出する必要があります。
一時帰国等により届出対象期間中に就業していない場合でも、特定技能所属機関に所属している場合は届出対象となります。
現時点で退職している場合でも、対象期間中に1日でも所属していた場合は届出の対象となります。
◆届出事項
<適格性書類の提出要件>
入管法施行規則の改正により、届出書本体および別紙に加え、適格性書類(添付資料)の提出が必要となります。
ただし、過去3年間に指導勧告書の交付・改善命令処分を受けておらず、オンライン申請および電子届出を活用する機関であり、以下のいずれかに該当する場合は、適格性書類の提出を省略できます。
◆適格性書類の省略が可能な機関
※ 令和8年4月1日以降の定期届出から、オンライン申請および電子届出の利用が適格性書類の省略要件となるため、希望する場合は利用者登録が必要です。
◆適格性書類の省略を希望する場合の添付資料
◆省略不可の機関に必要な添付書類
以下の機関は適格性書類の提出が必須となります。
その場合、以下の添付資料が必要となります。
<罰則・適正な管理について>
定期届出を提出しない、または虚偽の届出を行った場合、罰則の対象となります。
そのため、添付資料を含め、十分に確認した上で届出を行うことが必要です。
◆登録支援機関に支援計画を委託している場合の対応
1号特定技能外国人支援計画の実施を登録支援機関に委託している場合、特定技能所属機関は委託先の登録支援機関から支援状況を取りまとめ、地方出入国在留管理局へ提出する必要があります。
◆その他の補足
入管法第19条の18第1項第4号
特定技能雇用契約の相手方である本邦の公私の機関(以下この款及び第8章において「特定技能所属機関」と いう。)は、次の各号のいずれかに該当するときは、法務省令で定めるところにより、出入国在留管理庁長官に対し、その旨及び法務省令で定める事項を届け出なければならない。
四 前3号に掲げるもののほか、法務省令で定める場合に該当するとき。
入管法施行規則第19条の17第6項
6 法第19条の18第1項に規定する法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。
一 特定技能外国人を受け入れることが困難となった場合
入管法施行規則別表第3の5の4の表(第19条の17関係)
<場合>
<事項>
特定技能所属機関は、1号特定技能外国人支援計画に基づく支援の実施が困難となる事由が生じた場合、認知の日から14日以内に以下の方法で届出を行うことが求められます。
◆支援の実施困難となる主な事由
以下の状況が該当します。
◆特定技能所属機関の基準不適合に関する対応
支援の実施を通じて特定技能所属機関の基準不適合を把握した場合、
「特定技能雇用契約及び1号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令の基準不適合に係る届出」を提出する必要があります。
◆登録支援機関への委託時の対応
1号特定技能外国人支援計画の実施を登録支援機関に委託している場合、本届出は不要。
その場合、登録支援機関は「1号特定技能外国人支援計画の実施困難に係る報告書」(参考様式第4-3号)を提出する必要があります。
◆相談・転職支援に関する対応
◆定期的な面談に関する対応
◆基準不適合発生時の措置
定期的な面談や相談の結果、基準不適合の発生が確認された場合、特定技能外国人の保護措置を講じ、関係行政機関へ通報すること。
また、特定技能所属機関は「基準不適合に係る届出書」(参考様式第3-5号)を提出する義務があります。
お問い合わせは、電話またはフォームにて受け付けております。
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